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生命の樹 (工芸品) : ウィキペディア日本語版
生命の樹 (工芸品)[せいめいのき]

生命の樹(せいめいのき、スペイン語:Árbol de la vida)とは、メヒコ州のなど、主にメキシコ中部で造られる粘土工芸品の一種である。植民地時代初期に聖書の教えを原住民に伝えるために造られたのが始まりと言われる。現在はメテペックに根づいたものと考えられているが、起源はプエブラ州のである。元々はアダムとイヴのような、聖書に登場するイメージを題材として用いたが、今日では必ずしも聖書とは関係のない題材がモチーフとされることも多い。
== 起源 ==

中央メキシコでは、生命の樹に見られるような陶器やセラミックの技術が古くから受け継がれてきた。陶器や粘土技術の起源は紀元前1800年から1300年にまで遡る。こうしたものに色付けを行う手法は後のオルメカの影響を受けたものと言われる。西暦800年ごろにはテオティワカンの影響でセラミック製品に宗教的シンボルが取り入れられるようになった。の工芸品は現在メヒコ州あたりの地域に受け継がれているが、メヒコ州はメキシコ盆地と現在のモレロス州ゲレーロ州といった地域に囲まれた地域であり、西暦800年ごろから現在までマトラツィンカ人の工芸品はこれらの周辺地域から多様な影響を受けて発展してきた〔。
の後、はそれまであった原住民の神々を崇拝する工芸品を破壊し、代わりにカトリックの聖人崇敬に用いるものを広めた。原住民にカトリックの教えを説くために生命の樹が絵画などにも描かれた〔。
植民地時代、メキシコのセラミック製品は主に自己消費のために生産された。セラミック製品はスペインと原住民の技術やデザインが融合したものとなった。20世紀前半には豪華に飾りつけられた生命の樹が登場した。「春」や「死」など、非宗教的題材をモチーフとする生命の樹はこの典型例であった。
エデンの園のような聖書に登場するテーマを扱った「樹」の生産はプエブラ州のイスカル・デ・マタモロスで始まり、メヒコ州のメテペックをはじめとした他の地域に広がっていった。特にメテペックのものは鮮やかな着色が特徴的である〔。やがて「樹」の造形品はこの地域を象徴するものとなり、この地域でしか見られない伝統工芸品になっていった〔。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「生命の樹 (工芸品)」の詳細全文を読む



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